いじめ防止基本方針
令和5年8月
1 学校いじめ防止基本方針といじめ防止の対策のための組織
(1)いじめの防止等の対策に関する基本理念(学校教育目標及び目指す児童像)
①学校いじめ防止基本方針策定の意義
いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険性を生じさせるおそれがあるもの(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童が心身の苦痛を感じているものをいう。また、ネット上のいじめは、いじめをより見えにくいものにしている。学校が一丸となって取り組むだけでなく、家庭、地域及び関係機関等の力も積極的に取り込み、社会総がかりで対峙することが必要である。また、いじめの解決には、児童にいじめを絶対に許さない意識と態度を育てることが大切である。
したがって、「いじめ防止対策推進法(平成25年6月28日公布)」及び「群馬県いじめ防止基本方針(平成29年12月)」を受けて、その理念を実現し、古馬牧小学校の全ての児童がいじめの恐れや害悪から解放され、いきいきと学べるようにするため、教職員、児童、保護者、地域が一体となって取り組むための「みなかみ町立古馬牧小学校いじめ防止基本方針」を策定する。
②いじめ防止等の対策に関する基本的な考え
○いじめは本校のすべての児童に起こり得るものという認識を教師がもつ。
○児童は、いじめを行ってはならない。
○「いじめを絶対に許さない学校」をつくる。
○いじめを受けている児童をしっかりと守る。
○いじめに対して、早期発見と迅速かつ適切な対処ができるよう、万全の体制・態勢で臨む。
○全ての児童が安心して学習その他の教育活動に取り組むことができるように、保護者、地域関係者とも連携を図りながら、いじめ防止と再発防止に努める。
○児童の自己肯定感を高め、自信を持って生活できるようになれば、いじめは減少するであろうと考える。
③学校教育目標と重点目標
〇学校教育目標 高い知性と豊かな心情、そして、たくましい意志と創造力をもち、心身ともに健康で自分をひらい ていく児童の育成
〇具体目標 かんがえる子 やさしい子 やりぬく子 じょうぶな子
(2)いじめ防止等の対策に関する基本認識
①いじめの定義
いじめは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」(いじめ防止対策推進法 平成25年)と定義する。
②いじめに対する基本認識
すべての子どもと大人が「いじめはどの学校でも、どの学級でも、どの子どもにも起こり得る」という認識をもつ。
○いじめは人権侵害であり、「いじめを絶対に許さない学校」をつくる。
○いじめられている児童の立場に立ち、絶対に守り通す。
○いじめる児童に対しては、毅然とした対応と粘り強い指導を行う。
○保護者との信頼関係づくり、地域や関係機関との連携協力に努める。
③未然防止に向けた基本認識
人権尊重の精神に基づく教育活動を展開するとともに、子どもたちの主体的ないじめ防止活動を推進する。
○望ましい人間関係や互いのよさを認め合う環境をつくる。
○道徳・特別活動を通して規範意識や集団の在り方等についての学習を深める。
○児童がいじめ問題を自分のこととして考え、自ら活動できる集団をつくる。
○常に危機感をもち、いじめ問題への取組を定期的に点検して、改善充実を図る。
○学校生活での悩みの解消を図るため、スクールカウンセラー等を活用する。
○教職員の言動でいじめを誘発・助長・黙認することがないよう細心の注意を払う。
○教職員研修の充実、教育相談体制の整備、相談窓口の周知徹底を行う。
○地域や関係機関と定期的な情報交換を行い、日常的な連携を深める。
④早期発見に向けた基本認識
いじめ問題の早期発見に向けて、日頃からの児童の言動や行動に対して注意深く観察を行い、何らかのいじめのサインを見逃すことがないよう、早期発見に努め、気になる情報については、全職員への周知を徹底し、全職員共通理解のもと対応する。
○児童の声に耳を傾ける。 〈生活アンケート、健康観察、日常の観察、個別面談 等〉
○児童の行動を注視する。 〈チェックリスト、生活アンケート報告用紙 等〉
○保護者と情報を共有する。 〈電話、家庭訪問、保護者会、PTAの会議 等〉
○地域と日常的に連携する。 〈地域行事への参加、関係機関との情報共有 等〉
○職員間の連携を密にする。 〈職員間の情報共有、生徒指導委員会、職員会議、ケース会議 等〉
⑤早期解決に向けた基本認識
いじめ問題が生じたときには、当該児童だけでなく、周囲の児童からの詳細な事実確認を行い、人権尊重の精神に基づき、いじめを受けた児童を全職員で守り、早期に適切な対応を行い、関係する児童や保護者が納得する解決を目指す。
○いじめられている児童やその保護者の立場に立ち、詳細な事実確認を行う。
○学級担任等が抱え込むことのないように、学校全体で組織的に対応する。
○校長は事実に基づき、児童や保護者に説明責任を果たす。
○いじめる児童には、行為の善悪をしっかり理解させ、反省・謝罪を促し、その保護者にも理解と指導の協力を求める。
○法を犯す行為に対しては、早期に警察等に相談して協力を求める。
○いじめが解消した後も、保護者と継続的な連絡を行う。
○必要に応じて、県総合教育センターや県教育委員会義務教育課の相談窓口、町教育委員会、教育支援センター等の活用を図る。
⑥重大事態への対処に関する基本認識
いじめにより重大事態が生じた場合については、児童が欠席を余儀なくされている状況等を解消し、児童の学校復帰の支援を行う。
○重大事態とは、「いじめにより児童の生命、心身又は財産に重大な被害を生じた疑いがあると認められたとき、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められたとき」をいう。
○相当期間については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とするが、児童が一定期間連続して欠席しているような場合には、上記の目安に関わらず、学校の判断により、迅速に調査に着手する。
○児童や保護者からいじめによる重大事態が生じたと申し立てがあった時は、その時点で学校は、重大事態が発生したものとして、調査・報告を行う。
○児童が欠席し始めた当初から、児童や家庭と関わりをもち、早期の学校復帰を支援するため、要因が特定できない欠席初期の段階の対応に関する考え方や対応方策を事前に検討する。
(3)いじめの防止等の対策のための組織について
生徒指導委員会が「いじめ防止対策委員会」の機能を兼ねて対応する。生徒指導委員会は毎月1回程度開催し、児童の情報交換を行って問題行動等への具体的な手立てを明確にする。
生徒指導委員会の構成員は、生徒指導主任、校長、教頭、教務、養護教諭、教育相談担当、特別支援教育コーディネーター、低・高の学年ブロック代表、校長が必要と認める職員(スクールカウンセラー等)とする。
必要に応じて、いじめ防止対策委員会の他に、該当児童の担任や学年主任、教育相談主任、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、児童会担当、PTA会長、沼田警察署スクールサポーター等によるケース会議を開催する。
2 未然防止に向けた取組
令和4年度に改訂された「生徒指導提要」に示された「生徒指導の実践上の視点」をもとに、いじめ防止の未然防止にむけた取組を行う。生徒指導の実践上の視点は、下記の4つである。
1 自己存在感の感受
2 共感的な人間関係の育成
3 自己決定の場の提供
4 安全・安心な風土の醸成
上記1~4の番号は、下記の取組において具体的に示すためのものであり、優先順位を示すものではない。
(1)「わかる」授業づくり~すべての児童が参加・活躍できる授業の実現~
○授業中の生徒指導の充実
「多面的な生徒理解を伴う授業」「自己存在感や自己決定の場を与える授業」「共感的人間関係を基盤とした授業」といった生徒指導の3つの機能をいかした授業づくりに取り組む。
・多面的な児童理解をともなう授業
児童の発言やつぶやき、友だちとの話し合い活動の様子、授業中の児童の表情等、授業中の様々な場面における行動観察や授業の振り返りや感想の記述等から、児童一人ひとりの考えや思いをくみ取る授業を充実させる。 〔自己存在感の感受〕
・自己存在感や自己決定の場を与える授業
小集団活動や交流活動において、自分の考えを伝えるだけでなく、友だちの意見を尊重し、考えをより深めることができる授業を充実させる。 〔自己存在感の感受、自己決定の場の提供〕
・共感的人間関係を基盤とした授業
自分の考えを安心して発表したり、伝え合ったりすることができる学習集団の構築と自分の思いを安心して表現できる場を設定する授業づくりを充実させる。 〔共感的な人間関係の育成〕
○確かな学力の定着
・主体的に学習に取り組む態度を育成するとともに、基礎的・基本的な知識・技能、それらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等をバランスよく伸ばす。
〔自己存在感の感受〕
・自ら課題を見つけて主体的に自主学習に取り組む態度の育成に努める。
〔自己決定の場の提供〕
・ICT機器を活用した学習活動の充実や基礎学力の定着を行う。
〔自己存在感の感受、自己決定の場の提供〕
・授業中の姿勢、発表の仕方、聴き方の指導の充実を図る。 〔安全・安心な風土の醸成〕
(2)学習規律の徹底~児童が困らないようにするための居場所づくりに向けて~
○学びの約束(古小よい子の一日より)
・チャイムが鳴ったら授業を始めることができるように準備をする。
・「たえず かんがえる」を心がけて授業に取り組む。 〔自己決定の場の提供〕
・進んで自分の考えを発表する。 〔共感的な人間関係の育成〕
・先生の話や友だちの発表をよく聴く。 〔共感的な人間関係の育成〕
・学習に必要のないものは持って来ない。 〔自己決定の場の提供〕
・身だしなみを整える(上履きの履き方、名札の着用)。 〔安全・安心な風土の醸成〕
・正しい言葉遣いを心がける(あいさつ、返事、呼名、敬語等)。 〔安全・安心な風土の醸成〕
(3)学習集団づくり
○学級活動の充実
・心が通い合い、互いが支え合う学級経営により、学校生活の基盤づくりを行う。
〔共感的な人間関係の育成〕
・三国会生徒指導部会を中心とした「温かな学校・学級づくり」をベースとした取り組みを実施。
〔自己存在感の感受〕
・客観的な資料(C&Sの活用)を基にした多面的な児童理解に努める。
〔自己存在感の感受、安全・安心な風土の醸成〕
・年間指導計画に基づいた人権教育に係る活動の実施。 〔共感的な人間関係の育成〕
○居場所づくり
・自己有用感や自己肯定感を育む授業づくり、活動づくりを行い、児童の規範意識、帰属意識を高める。 〔自己存在感の感受、自己決定の場の提供〕
・児童一人ひとりの実態と教育的ニーズを把握し、職員の共通理解のもと、きめ細かな指導を行う。 〔安全・安心な風土の醸成〕
・毎月末に実施する「生活アンケート」において、「友だちの頑張り」を紹介する欄を設け、朝行事や学級活動で紹介する。 〔自己存在感の感受、共感的な人間関係の育成〕
・スクールカウンセラーを活用するなど、児童に寄り添った相談しやすい教育相談の体制づくりを行う。 〔安全・安心な風土の醸成〕
○絆づくり
・異学年交流(縦割班活動や団活動)、朝行事(朝カツ)を通して、互いの良さや思いを受け入れ、児童一人ひとりの存在や思いを大切にすることができる集団を育成する。
〔共感的な人間関係の育成〕
(4)児童会活動の充実
○企画委員会が主体となって行う活動
・高学年の児童が主体となって、「あいさつ運動」を行う。
〔自己存在感の感受、安全・安心な風土の醸成〕
・児童集会で各委員会の発表の場を設定する。〔自己存在感の感受、自己決定の場の提供〕
・代表委員会において、各学級や各委員会のいじめ防止活動の取組の啓発と振り返りを行う。
〔安全・安心な風土の醸成〕
○こめまき山委員会が主体となって行う活動
・こめまき山集会における人権意識を高める取組(手話や他者理解)を行う。
〔共感的な人間関係の育成〕
・がんばり古馬牧っ子の木(互いの頑張りを紹介するカードの掲示)を行う。
〔共感的な人間関係の育成〕
・いじめ防止スローガンを毎年作成し、全校に周知徹底を行う。 〔安全・安心な風土の醸成〕
○他委員会が行う活動
・各委員会におけるいじめ防止活動の取組の具体策を検討し、実践する。
〔自己決定の場の提供〕
放送委員会:誕生日の紹介を通して、全校児童の自己存在感を高める。
整美委員会:トイレのスリッパチェックやゴミの処理を通して、落ち着いて生活できる学校環境づくりを行う。
保健委員会:全校の児童が心身ともに健康に生活できるよう啓発活動を行う。
学校保健委員会を通して、学校の健康課題の解決を目指した取組を行う。
給食委員会:給食の下膳時の交流として、挨拶やお礼を伝える活動を強化し挨拶や優しい言葉遣いの啓発活動を行う。
飼育・園芸委員会:生き物や植物を育てる活動を通して、学校の環境美化に努める。
図書委員会:図書の紹介を通して、豊かな心の育成を図る。
体育委員会:「コメリンピック」を常時団活動として設定し、異学年交流の積極的な活動を促す。
(5)環境づくり
①いじめ防止活動強化月間の設定
・毎年5月と12月にいじめ防止活動強化月間を設定し、活動への意識を高める。
〔安全・安心な風土の醸成〕
②広報紙やポスターによる情報提供・広報啓発活動
・県教育委員会発行の広報紙やポスター等を通して、保護者や地域と協働していじめ問題の未然防止に努める。 〔安全・安心な風土の醸成〕
③学校・家庭・地域の連携・協働体制の構築
・運動会、マラソン大会や情報モラル教室等の行事を積極的に公開し、児童の様子を家庭・地域に発信する。 〔安全・安心な風土の醸成〕
・児童の日常の活動の様子を、学校だよりや学級通信等により、保護者や地域に発信する。
〔安全・安心な風土の醸成〕
・授業参観や学校公開日等を設定し、授業中や学校生活の様子を家庭に発信する。
〔安全・安心な風土の醸成〕
(6)道徳教育・人権教育の推進
○道徳教育の充実
・よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うために、様々な道徳的価値について、じっくりと考える時間を確保したり、友だちとの交流を通して自他の考えを深めたりする授業の工夫を行う。
〔自己決定の場の提供、共感的な人間関係の醸成〕
・校内研修 「自他を大切にし、よりよく生きようとする児童の育成 ~多面的・多角的に考えるための発問や交流の工夫を通して~ 」 を通して、学校全体での道徳性を高める。
〔自己決定の場の提供、共感的な人間関係の醸成〕
道徳の授業において、その時間のゴールを見据えて発問を工夫することにより、児童の多面的・多角的な思考を促す。
板書やICTなどを活用して互いの考えを可視化したり、教師の「問い返し」で児童の思考に揺さぶりをかけたりして、一人ひとりの児童が主体的に話し合い、考えを深めていけるような交流の場を工夫する。
○人権教育の充実
・12月に人権月間を設定し、各学級で動画教材を活用した学びを深める時間を設定する。
〔共感的な人間関係の育成、自己決定の場の提供〕
・人権週間に人権標語や人権作文を作成し、人権集会で全校に紹介し、人権意識を高める。
〔共感的な人間関係の育成、安全・安心な風土の醸成〕
(7)自然体験、交流体験、社会体験の充実
・校外学習における班活動等を積極的に行い、共に助け合ったり、協力し合ったりすることのできる人間関係を構築する。 〔自己存在感の感受、共感的な人間関係の育成〕
・地域人材を活用した田植えや縄ない、昔の遊び体験等を通じて、様々な人に感謝する気持ちを育む。 〔安全・安心な風土の醸成〕
(8)インターネット等を通じて行われているいじめに対する対策
文字や画像を使い、特定の児童の誹謗中傷を不特定多数や掲示板に送信する、掲示板等に特定の児童の個人情報を掲載するなどがいじめであり、犯罪行為であることを認識する。
○情報モラル教育の充実
・外部人材(スクールサポーターや久里浜医療センター職員等)を活用した情報モラル教育の充実を図る。 〔安全・安心な風土の醸成〕
・学級活動や各教科の学習、総合的な学習の時間等において情報モラル教育を計画的、継続的に実施する。 〔安全・安心な風土の醸成、自己決定の場の提供〕
・生活リズムチェックを行い、SNSの利用について児童に目標を作らせたり、振り返りをさせたりする。 〔自己決定の場の提供、安全・安心な風土の醸成〕
○家庭・地域との連携
・学年・学級懇談会、PTA総会等を活用し、保護者に情報モラルの啓発を行う。
〔安全・安心な風土の醸成〕
・フィルタリングや保護者の見守りの設定について、保護者への啓蒙を図る。
〔安全・安心な風土の醸成〕
・インターネット利用に関する職員研修を実施する。
〔安全・安心な風土の醸成〕
・「携帯・スマホ等の基本ルール」の周知と計画的な取組の振り返りを行い、児童・家庭共に情報モラルの意識を高める。 〔自己決定の場の提供、安全・安心な風土の醸成〕
(9)学校間の連携や他機関への協力体制の整備
①学校間の連携
・こども園、幼稚園、中学校、学童等との情報交換会を行う。 〔安全・安心な風土の醸成〕
②他機関との連携
・沼田警察署、月夜野交番との連携を図っていく。 〔安全・安心な風土の醸成〕
・ネット上のいじめに対する対策として、各種相談窓口を活用し、情報モラルの向上に努める。
〔安全・安心な風土の醸成〕
③相談窓口の周知
・県総合教育センター「いじめ・生徒指導相談室」、県教育委員会義務教育課の相談窓口(いじめ110番)、中央児童相談所の「こどもホットライン24」、みなかみ町教育委員会教育支援センター「みらい」の周知を図る。 〔安全・安心な風土の醸成〕
(10)いじめ問題への自校の取組に対する点検表
点検項目
<教職員の指導体制>
「学校いじめ防止基本方針」をもとに教職員で共通理解を図り、校長を中心に一致協力して対応している。
・いじめの問題について、特定の教員が抱え込んだり、事実を隠したりすることなく、学校全体で対応する体制が確立している。
・いじめの態様や特質、原因・背景、具体的な指導上の留意点などを職員会議等の場で取り上げ、いじめの認知や対応について、教職員間で共通理解を図っている。
・いじめに関する研修( 事例検討会、情報交換会) の機会を設け、教職員の資質向上や取組に生かしている。
・児童生徒の悩みやいじめ問題等について、スクールカウンセラー、相談員、教育相談担当教諭、養護教諭など、学校内の専門家との連携に努めている。
・定期的ないじめアンケートや個人面談の実施等、児童生徒の悩みを受け止められる教育相談体制が整備され、機能している。
・自校の課題に基づくいじめ防止活動を児童生徒主体で行い、よりよい人間関係づくりを構築できるような機会を計画的に設定している。
<教育活動>
・どの児童生徒にも、「わかった」「できた」という達成感や成就感を味わわせる授業づくりに努力している。
・お互いを思いやり、尊重して、生命や人権を大切にする指導等の充実に努めている。
・児童生徒が発する危険信号を見逃さず、寄り添いながら意見を傾聴する姿勢をもち、一人一人を大切にしている。
・道徳科や学級活動、ホームルーム活動等でいじめにかかわる問題を取り上げ、児童生徒と共に考えたり、指導したりする時間を設定している。
・教職員の言動が、児童生徒を傷つけたり、他の児童生徒によるいじめを助長したりすることのないよう、細心の注意を払っている。
・児童生徒が学級に所属感がもてるような掲示物を工夫したり、学校行事や児童会・生徒会活動等で児童生徒が活躍した様子を掲示したりしている。
・日常の教育活動を通じ、教師と児童生徒、児童生徒間の好ましい人間関係の醸成に努めている。
・日記や個人ノート、生活ノートなどで、児童生徒と日常的に交流できる機会を設けている。
・教職員間で、その日にあった個人や集団のよい取組や努力等について、情報交換している。
・学級活動等において、児童生徒が集団決定や自己決定する場を設けている。
・ネットの危険性を十分に理解した上で、ネット上のトラブルに係る動向を把握し、「みなかみ町SNSルール」の趣旨をいかして、児童生徒の情報モラルの向上に努めている。
<家庭・地域連携>
・「学校いじめ防止基本方針」を公表し、保護者や地域住民の理解を得るよう努めている。
・家庭や地域に対し、いじめ問題への取組の重要性の認識を広め、家庭訪問や保護者会、通信等を通して啓発・広報活動を積極的に行い、連携協力を図っている。
・PTA や地域の関係団体等とともに、いじめ問題について協議する機会を設け、いじめ防止に向けて地域ぐるみの対策を進めている。
3 早期発見に向けた具体的な取組
早期発見の基本は、児童の小さな変化に気づくこと、気づいた情報を確実に共有することである。そのためには、教師がこれまで以上に意識を高めて児童の様子に気を配り、いじめを見抜く目を養うことが重要である。また、定期的な教育相談や生活アンケートを実施し、複数の教師が結果を分析し、いじめの早期発見に努める。
(1)児童の声に耳を傾ける
①登校時、朝の会、帰りの会、授業中、休み時間などの観察
○休み時間や保健室、廊下等における表情や健康状態を観察する。
○「あいさつ運動」や短学活等において、登校時の表情やあいさつから、児童の状態を把握する。
②いじめ調査の実施
○毎月の「生活アンケート」を学活の時間等に実施し、早期発見に努める。
○担任は速やかに目を通し、必要に応じて個別指導する。また、担任や学年ブロック職員が確認した後、すべてのアンケートを生徒指導主任に提出し、複数の目でチェックする。さらに、記述のあった児童、気になる児童について、生徒指導委員会で共通理解を図る。
③教育相談
○教育相談担当を中心に、スクールカウンセラーや担任等と組織的な教育活動を展開する。
○スクールカウンセラーが業務を行う「相談室」や「ミーティングルーム」を中心に相談活動をすすめる。相談室を含む別室登校の必要がある場合、利用する児童の状況に応じてルールを確認する。
(2)児童の行動を注視する
○暴力を伴ういじめを目撃した場合は、速やかに止めることを最優先する。
○児童の気になる変化や行為について、職員間の情報を共有する。
(3)保護者や地域からの情報提供
○授業参観日に行われる各学年保護者会等において、いじめを発見した際の学校への連絡方法等を周知しておく。
○いじめの発見に対して協力を求めるとともに、保護者や地域住民からの訴えには耳を傾ける。
(4)教職員の研修
○生徒指導委員会、職員会議、校内研修等の場において、いじめ問題に対する共通理解を図って、早期発見や早期解消に向けた具体的な取組、国・県・市の動向等を確認するなど、研修の機会を設ける。
4 早期解消に向けた具体的な取組
いじめの疑いがあるような行為が発見された場合、校長の指示のもと、「いじめ防止対策委員会」が中心となって、迅速かつ組織的に対応し、事実の確認、被害児童のケア、加害児童への指導、問題の解決までを行う。
(1)いじめに関する相談を受けた場合、速やかに管理職に報告し、事実の有無を確認する。
(2)いじめの事実が確認された場合は、速やかに「いじめ対策委員会」を開き、対応を協議する。
(3)いじめをやめさせ、その再発を防止するため、いじめを受けた児童・保護者に対する支援と、いじめを行った児童への指導とその保護者への助言を継続的に行う。
(4)いじめを受けた児童が安心して教育を受けられるために必要があると認められるときは、保護者と連携を図りながら、一定期間、別室等において学習を行う等の措置を講ずる。
(5)事実に係る情報を関係保護者と共有するための必要な措置を講ずる。
(6)犯罪行為として取り扱うべきいじめについては、教育委員会及び警察署等と連携して対処する。
(7)いじめの解消
○いじめの解消については、以下の点により、いじめを受けた児童及び保護者の気持ちに寄り添い、慎重に判断する。すなわち、①いじめに係る行為が相当期間(少なくとも3 ヶ月間)やんでいること。②いじめを受けた児童がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないことを本人及びその保護者に対し、面談等により確認すること。
5 重大事態への対応
(1)重大事態調査の基本的対応
○別添の「いじめ防止対策推進法等に基づくいじめ重大事態調査の基本的な対応チェックリスト」を基に調査を実施する。
(2)学校による調査
○たとえ不都合なことがあったとしても、事実にしっかりと向き合おうとする姿勢を大切にする。
○いじめられた児童からの聴き取りが可能な場合、いじめられた児童や情報を提供してくれた児童を守ることを最優先とした調査を実施する。
○いじめられた児童からの聴き取りが不可能な場合、該当児童の保護者からの要望や意見を十分に聴取する。
(3)調査結果の提供及び報告
○学校は、いじめを受けた児童及びその保護者に対して、事実関係等その他の必要な情報を適切に提供する責任を有する。
○毎月行う「生活アンケート」は、いじめられた児童又はその保護者に提供する場合があることをあらかじめ念頭におき、調査に先立ち、書いた本人のプライバシーや個人情報に配慮しながら、その旨を調査対象となる児童やその保護者に説明する。
(4)初期段階のアセスメント
①欠席理由や必要な支援の見立て
○欠席1日~2日 学級担任による対応
・欠席理由の把握。
・学級担任等による電話連絡や適切な休み方の助言。
・2日目で担任や管理職を踏まえた会議。3日目になったときに家庭訪問するかどうかの検討。
○連続欠席3日目~ 校内での情報共有 ※遅刻や早退も加味する
・担任が家庭訪問し、「心配しているよ」「待っているよ」と伝える。
・養護教諭等が、連続欠席等3日以上の児童をチェックし、管理職などへ状況を報告。
・状況に応じて、周囲の児童や保護者、教職員等にも聴取するなどして欠席の原因や背景を把握。
・今後の対応方法を検討するとともに、児童や保護者とのつながりのある教職員を中心に引き続き家庭訪問等を実施。
○連続欠席7日目~ サポートチームを結成しての支援、教育委員会の支援等の実施
②個々の児童の置かれた状況判断と個別支援
○不登校の原因や背景となった要因を検証、解消。
○傾向に応じた個別の支援方策を検討。
○教育支援センター、関係機関との連携。
(5)他機関との協力体制
○重大事態の発見が認められた場合、専門的知識及び経験を有する第三者の参加を図り、調査の公平性・中立性を確保するよう努める。